放射線技師の朝のルーティン

皆さんは、朝のルーティンはありますか?
私生活でも仕事でも、何かしら決まって行っていることがある方、いらっしゃると思います。
診療放射線技師としての私には、出勤してから必ず行うことがあります。
それは、マンモグラフィ撮影装置の始業前点検です。
どこの施設でも、診療放射線技師は装置の始業・終業点検を行っています。
医療機器はトラブルが少なくありません。
場合によっては装置を一旦停止し、メンテナンス業者の方に来ていただかなければならないこともあります。
そうなると、これから検査が必要な患者さんが、すぐに検査を受けられずお待たせしたり、再度来院してもらうことも起こりえます。
そのようなことがないように、撮影機器が正常に稼働するかどうかを確認するのも、診療放射線技師の大事な仕事です。
まず私は出勤してからすぐ撮影室に向かい、マンモグラフィ装置の電源をつけます。
システムが立ち上がると、15分程かけて装置が自動で補正(キャリブレーション)を行ってくれます。
この時間は短縮することができませんので、診療に間に合うようにゆとりを持って行えるようにしています。
装置が立ち上がった後は、ファントムという乳腺の構造に見立てた模型を決められた条件下で撮影し、マンモグラフィの画像評価を行っています。
文章だけだとわかりにくいと思いますが、腫瘤や石灰化などを模した構造がどのレベルまで確認できるかを目視で評価し、基準を満たしていることを確認しています。
また、マンモグラフィ画像読影に使用するモニタも点検しています。
石灰化など小さな変化を検出する必要がありますので、モニタの画面に不具合がないかをチェックします。
装置が正しく安全に稼働することを確認できてから、患者さんの撮影開始です。
このようにマンモグラフィ装置の精度管理なくしては、診断に適した撮影を行うことができませんので、毎日のルーティンワークの1つなのです。
これからも皆さんに安心して検査を受けていただけるよう、精度管理はもちろん、環境を整え、緊張が和らぐようにも努めたいと思います。
Wakana