くもをさがす
あの暑かった夏、寝苦しかった夜はどこへ行ったのでしょう・・
秋晴れの朝の澄んだ冷たい空気に触れると、背筋がピンとするような凛とした気持ちになります。
冷たいものばかり食べていたのが一転、暖かい珈琲や汁物にホッとする季節ですね。
食べ物が何でもおいしい秋ですが、読書の秋でもあります。
西加奈子さんという作家さんをご存じですか?
有名な作品は「きいろいゾウ」でしょうか。
映画化もされています。
西加奈子さんが今年の春に「くもをさがす」というタイトルのノンフィクションを出しました。
いろいろなメディアで取り上げられていたので、私も購入して読みました。
カナダで生活されていて、乳がんを患い治療し、その中で感じた心やからだの変化やいつもそばにいてくれた家族や友人、日本とは違う医療の現場のお話など、とても素直に読みやすく書かれた本でした。
ガンを告知された時の動揺、治療中の辛さ、迷い・・ネガティブになりがちな時でも、持ち前のユーモアとユーモアのある医師、看護師、友人に支えられながら乳がんサバイバーとなっていく様子が、関西弁で明るくストレートに書かれています。
私も同じ乳がんサバイバーなので、読んでいて自分も同じようなこと思ったな・・とか、逆にこう考える人もいるんだな・・など共感と発見がありました。
「私たちはどのような状態であっても、自分自身の身体で生きている。
何かを切除したり、何かを足したりしても、その体が自分のものである限り、それは間違いなく本物なのだ。
私たちの身体を、誰かのジャッジに委ねるべきではない。
これからも本物の自分の人生を生きていくために、私は自分の、自分だけが望む声に耳を澄ますことにした。」
すごく共感できる心にすっと落ちた部分です。
いろいろなことに繋がりますが、これは乳がん患者にとって治療をどう進めていくか、自分が治療の先に何を望むかを選択する時にも、つながっていく言葉だなと思いました。
同じ乳がん患者であっても、がんのタイプはその人だけのものです。
決して同じものはありません。
自分の身体と、自分のがんと向き合って治療していくことが大切です。
同じ病気ゆえの同じ悩みや不安を共有したり、共感したりすることも、治療の先が見えない不安を抱えている時は、励みになりますよね。
西加奈子さんの「くもをさがす」、興味のある方は読んでみて下さいね。
今月、第3日曜日の15日は日曜乳がん検診です。
まだ予約枠に空きがございます。
ご自身の身体、お胸に向き合う日にしませんか?
ご予約はWEB、お電話で。お待ちしております。
Miya