乳がんと女性ホルモン
女性ホルモンは、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)等がありますが、そのエストロゲンが乳がん発症に関わっていることがわかっています。
乳がんの最初の好発年齢ピークは45歳です。
その原因の1つは、40代に入ると急速にエストロゲンの分泌が減り閉経へと向かう、という点にあります。
身体の中では少しでも多くのエストロゲンを受けたいと頑張り、乳管上皮細胞でエストロゲン受容体が増えます。
この受容体と結びついたエストロゲンは、細胞分化や増殖を促す働きがあるため、乳がんの発症につながると考えられています。
そして乳がんは5年から10年かけて1cmほどに成長します。
ではなぜ閉経など関係のない20代や、閉経後の60代(好発年齢のピーク)が乳がんにかかるのでしょうか?
乳がんの発生は初潮を迎えた年代以降に認められます。
血縁者(特に母、姉妹)に乳がんになった方がいる人は発症の確率が高く、また食生活の欧米化により日本人女性の体格が良くなり、初潮の時期が早まっていることも影響しているといわれています。
閉経後では閉経年齢が遅かったり、女性の社会進出によって妊娠未経験者や初産年齢が高くなったことも要因として挙げられています。
また、閉経後卵巣からのエストロゲンが減っても、副腎で分泌されるアンドロゲンという男性ホルモンが、脂肪細胞でエストロゲンに置き換えられるので、リスクがゼロになることはないのです。
このように女性は生涯エストロゲンにさらされており、どの年代の方も乳がんになる可能性はあるということです。
ご自身やご家族、周囲の方が悲しい気持ちにならぬよう、今一度よ~くご自分の胸と向き合ってください。
[by Mami]