妊孕性温存

silvania

妊孕性(にんようせい)温存とは、「妊娠できる可能性を残しておく」というとわかりやすいでしょうか。

乳がんと診断されたら、早くに治療を開始したいと思うのは当然で、もちろん乳腺外科医も、生命予後を第一に考えて治療をすすめます。
一方で、乳がんと診断されたのちに妊娠を希望する年代の患者さんがたくさんいることから、病気の克服を唯一の目標・ゴールとするのではなく、その後の生活の質を高めることにも目を向けるようになってきました。
抗がん剤治療は卵巣に大きなダメージを与えます。
またホルモン治療を受ける場合は、5~10年間にわたり薬の服用を続ける必要があり、そのため妊孕性が廃絶してしまうこともあります。
そこで、生殖補助医療という分野において、命を守りながらも、卵子や胚、卵巣の凍結保存などによる妊孕性温存も踏まえた治療計画を立てる必要がでてきます。

乳がんとわかると、驚きと不安でいっぱいになると思いますが、妊娠の希望についてもお伺いし、患者さん自身に考えていただくことは、とても大切だと思っています。

by Akiko

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