ホルモン感受性乳癌に対する治療の展望

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現在、ホルモンレセプター(HR)陽性の乳がんに対する術後補助療法(再発を抑止するための治療)は、ホルモン治療を行うのが標準的です。

そのホルモン治療に新たな流れが見えてきました。

 

今年6月に行われたASCO(American Society of Clinical Oncology)の会議において、PALOMA-2試験とMA.17R試験の報告がありました。

PALOMA-2試験では、閉経後のHR陽性HER2陰性進行乳がんに対する最初の治療として、palbociclibとレトロゾール(フェマーラ)の併用療法とレトロゾール単独での治療を比較しました。

無増悪生存期間(PFS;Progression-Free Survival)で評価したところ、palbociclib併用群でPFSが10.3か月も延長されました。

Palbociclibはまだ日本では承認されていませんが、この試験には日本も参加していますので、早い段階での承認が期待されます。

どのような患者さんに対して取り入れるのが良いか、今後も議論されていくと思います。

 

また、MA.17R試験では、閉経後のHR陽性進行乳がんに対する術後補助療法として、アロマターゼ阻害剤の投与期間を、5年から10年に延長することで、再発のリスクが低下することが報告されました。

副作用として骨粗しょう症の進行による骨折などがみられることから、どの患者さんが治療を受けるべきかは、まだまだ結論付けられていません。

 

患者さんの乳がんの特徴に合わせた治療の研究は、今後も重ねられていきます。

よりよい治療を提供できるよう、私も勉強の日々です。

 

by Akiko

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