フェス参加
フェスはフェスでも『がんフェス』です。
先日札幌コンベンションセンターで、一般社団法人日本サイコオンコロジー学会主催、札幌市共催で開催されました。
私が参加したのは、市民向けの公開講座で、初めに札幌市立病院にお勤めの精神科医・上村先生が、サイコオンコロジーについて分かりやすくプレゼンテーションして下さった後、上村先生他、3名のパネリストによるトークセッションがありました。
パネリストの一人である鈴木美穂さん(日本テレビ報道記者)は、24歳で乳がんが見つかり、その治療中、かなり精神的に荒れていたとおっしゃっていました。
今ではそんな状態が全く想像つかないほど、朗らかで行動力と情熱いっぱいの素敵な女性でした。
彼女は自分の罹患・治療経験を活かし、若年性がん患者団体“STAND UP!!”や、“maggie’s Tokyo project”などを通し、精力的にがん患者と社会を繋ぐ活動をしていらっしゃいます。
一般参加者から「がんになってから言われて傷ついたことと、嬉しかったことは何ですか?」という質問があり、「術後にエステに行ったら断られ、ネイルサロンも抗がん剤の影響で黄ばんだツメを見て、他のお客様と同じ道具を使うので・・・と断られたのはショックだった」と、まだまだ誤解や偏見があることを実感したとおっしゃっていました。
それを聞いた私もショックを受けました。
嬉しかったことは、治療のために職場を辞めようとした時に「ゆっくり直して戻っておいで」と言われたことや、友人からは「どんな姿になっても、美穂は美穂でしょう?」と言われたことだそうです。
やはり身近な人達のサポートと理解があるのは心強いものです。
以前はがんの治療の後に精神的なケアを、という順だったようですが、今では身体の治療と同時に精神面も並行して診る方向へと変わってきているそうです。
ただサイコオンコロジストの数が不足しているため、どの病院でも同様のサポートができる状態ではまだないと残念そうに上村先生が話していらっしゃったのが印象的です。
また、どのような理由であれ、精神科を受診することに抵抗を感じる人がまだまだ多く、外科医から精神科受診を勧められても断る方もいらっしゃるとのこと。
つらい治療を少しでも快適に終えるために、積極的に精神面のケアも行ってほしいなと思います。
患者さん本人はもちろん、第二の患者であるご家族も、ためらうことなく助けを求めて欲しいと思います。
by Chieko