授乳中の服薬
札幌フィメールクリニックには、ほぼ毎日、妊娠中や授乳中の女性が受診します。
つらい症状や不安な症状で来院されているのはもちろんですが、その一方で、皆さんが気がかりなのは、やはり赤ちゃんへの治療薬の影響です。
今回は、授乳中の服薬についてのお話です。
お母さんが薬を服用すると、その一部がまず血液中に移行し、さらにその一部が母乳に移行します。
赤ちゃんが母乳をのむと、赤ちゃんも薬の成分の一部を摂取することになります。
お母さんが薬を服用した時に、乳児が実際に摂取することになる量を調べ、影響の程度を推測する指標として「相対的乳児投与量(RID)」と呼ばれるものがありますが、多くの薬は1%未満と低いものです。
ただし、大量に摂取するなど、通常量ではない服用の仕方をする場合は、乳児の摂取量も増えてしまいます。
授乳を中止して、服用を勧める場合もあります。
中枢神経に作用する薬は、注意が必要です、また、一度摂取すると、その成分が体内に長くとどまる薬も、慎重に判断する必要があります。
さらに、抗がん剤は、正常な身体にも大きな影響を及ぼすことから、投与中の授乳は避けた方が良いでしょう。
札幌フィメールクリニックで扱う薬で、授乳中の方に処方しているものは、乳汁へ移行しても、乳児に害を及ぼすことが、ほぼないと考える薬剤です。
また服用と授乳のタイミングも、可能であれば調整することなども指導しています。
むやみに薬を制限して、お母さんの症状が改善しないことを避けるため、不安を取り除きながら処方していますので、心配せず受診してくださいね。
Akiko