どうしてがんになるの
昨日のAIR-G’ brilliant days F では、どうしてがんになるの?というテーマでお話しました。
いま日本人は、男性も女性も、生涯に2人に1人はがんに罹る時代です。
札幌フィメールクリニックでは、乳がんと大腸がんの診断を行っていますが、診断結果についてお話した際に、患者さんから「どうしてがんができたの?」という質問を受けることがあります。
がんの発生原因は、身体のどの部位のがんなのかにより異なり、一言で説明するのは難しいのですが、少しでも理解していただけたらとおもいます。
正常の細胞は、常に分裂を繰り返し、私たちのからだを作っていますが、細胞には寿命があり、それぞれの寿命を迎えると、自然に終わりを遂げます。
ところが、細胞分裂を繰り返す途中で、細胞の遺伝子に異常がおきてしまい、自然な細胞の終わりを迎えず、いくらでも増殖を続けてしまうことがあります。
これが腫瘍の発生で、その中でも悪性のものをがんと呼びます。
悪性の腫瘍であるがんと良性腫瘍は、どちらも細胞が増え続けるという状態なのですが、その違いは、がんは周辺の組織を破壊して増殖する「浸潤」というかたちで大きくなっていくということと、初めに発生した部位を超えて、ほかの臓器にも「転移」して増殖するというところです。
これにより、ヒトが生きていくために必要な臓器が正常に機能しなくなってしまうのです。
つまり、がんは遺伝子の病気で、「どうしてがんになるの?」の答えは「細胞内の遺伝子に異常が起こる」からなのです。
それでは、どうして遺伝子に異常が起こるかというと、通常の細胞分裂でも起きる可能性があるのですが、喫煙や飲酒、感染症などが遺伝子に異常を起す頻度を高くすることがわかっています。
また一方で、遺伝子の異常を家系的に引き継ぐ遺伝的要因があることもわかっています。
しかし、遺伝性のがんの頻度は高くなく2-5%と言われています。
つまり、遺伝性ではないがんが95%以上占めることになります。
遺伝的要因を排除することは難しいですが、喫煙や飲酒を控えること、運動の習慣はほとんどのがんの発症リスクを少し下げることが分かっています。
皆さんも日常から気を付けることができるのです。
また、がんは検診を受けることで早期に発見できる可能性があります。
とくに乳がん検診は効果が証明されていますので、みなさん、定期的な検診の機会を作ってください。
Akiko