授乳中のトラブル
札幌フィメールクリニックでは、毎日乳腺外科の診察を行っています。
受診される方の主な症状は、乳房のしこりや痛みですが、授乳中の方の受診も珍しくありません。
授乳中でもしこりを感じて受診される方もいますが、多いのは母乳のつまりで腫れや痛みが出ているという症状です。
つくられた母乳が部分的にたまってしまい、腫れや痛み、熱をもつなどの症状を起こすことがあり、産褥性乳腺炎といいます。
症状が軽いうちは、授乳をすることで解消できますが、流れの悪い状態が改善されないと、炎症が悪化します。
次に必要なのは、適切なマッサージです。この段階は、まだ乳腺外科の出番ではありません。助産師の方が対応してくれます。
産婦人科の母乳外来や、助産師さんが独立して行っている母乳相談のサロンなどで対応してもらいましょう。
マッサージでも解消しない腫れが続く場合は、乳腺外科を受診してください。
炎症が強くなり、膿がたまる状態になってしまうと、マッサージでは改善できません。
超音波検査を行い、膿瘍(のうよう)ができているのかどうかを確認します。
膿瘍ができてしまった場合は、局所麻酔を行って腫れの表面を切開し、膿を出します。
産褥性乳腺炎は炎症ですが、菌の感染が原因であることはほとんどないため、抗生物質の効果はあまり期待できません。
熱をとり、痛みを抑える治療を行います。
乳腺炎がどの程度なのかによって、頼る相手が変わるため、どうしたらよいか迷うと思いますが、まずは出産した医療機関に問い合わせてみると良いでしょう。
Akiko