自分や家族のために

みなさん、障害年金についてご存知ですか?
ご自分には関係ないと思っている方も少なくないと思います。
私も、病院で働くことがなければ、きっと他人事だったと思います。
日本年金機構のホームページを見ると「障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金」と書かれています。
障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やケガで初めて医師の診察を受けたときに加入していた年金によって、どちらかを請求します。
また、障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度もあります。
そして、請求要件のひとつに保険料納付要件があります。
障害年金に該当する病気やケガを負っても、保険料を納付している期間が短いと、障害年金を請求できません。
給与明細を見たとき「こんなに保険料が引かれている!」と切なくなりますが、いざ自分が働けなくなったときのための保険と考えると…う~ん、仕方がないのかな…と思うようにしています。
私が医療ソーシャルワーカーとして勤務していたとき、乳がんの患者さんと一緒に障害年金の請求手続きをしたことがありました。
その患者さんは、骨や他の臓器に転移があり、抗がん剤による副作用もありました。
ただ、「乳がん」だけでは請求が却下される懸念があり、2~3種類の診断書を組み合わせて請求し、受理されました。
すべてのがん患者さんが障害年金の対象になるわけではありませんが、長期間にわたり日常生活に支障をきたすような症状がある場合は、検討の余地があるかもしれません。
障害年金は少し複雑な制度ですので、通院している病院の医療ソーシャルワーカーや、年金事務所にご相談することをお勧めします。
また、相談の際は、きっかけとなる症状で初めて病院を受診した日(初診日)やその病院名、そのとき加入していた年金の種類、病歴等が事前にわかるとスムーズかと思います。
最近では、民間の会社で「働けなくなったときの保険」も販売していますが、まずは公的な保険についてを知っておくと、どの民間保険が自分や家族にとって必要なのか、整理がしやすいかもしれませんね。
自分が暮らしている国の公的制度を調べてみてはいかがでしょうか?
MNG Takahashi