頭をなでてもらった

atama

前回、ブログに病気のことを書いたらすっきりした。

いい事を書いたと思っている。

自画自賛だ、手前味噌だ。

病気のことはなかなか人に話せない。

話した相手が対応に困るのではと思ってしまう。

聞いてくれるだけでいいのにね。

なかなか気持ちは通じない。

だから、話したいけれど話せないでいた。 

 

じゃあ、話したいことを書けばいいじゃないか。

と、なったわけで今回も病気に関わるお話し。 

 

6クールの抗がん剤治療を終えたあと、2年前の冬が始まる頃だった。 

我が家に遊びに来た(当時)4歳と2歳の孫たちから、 

「ばあばは、どうしておうちのなかでぼうしをかぶっているの」。

と聞かれた。 

まさかの質問に、この頭を見せていいのか迷った。

病気になる前はバリバリの固い髪の毛で、今より少し長めのショートカットだった。

私が思っていた副作用の『脱毛』は、ツルツル頭。 

実際は生え際に、360度髪の毛が残っていた。

それ以外の頭皮には、信じられないくらい腰のないふわふわの細い髪の毛が100本?200本?残っていた。

白髪をしばらく染めていなかったので、茶色のまだら模様のような髪の色。

髪の毛が抜け始めた頃は、ちょっと触ってもバサッと抜け落ちたのに、頼りないポヤポヤ毛を引っ張っても抜けない。

入院中に聞いた体験談で、「どうせ抜けるのだからと、バリカンで髪の毛を刈ったら、短い髪が抜けて皮膚に刺さって痛い。坊主頭にしない方がいい」と。

だからポヤポヤ頭のままケア帽子やスカーフで頭を隠していた。 

 

泣かれちゃうなと思いながら帽子をとると、ふたりはお腹を抱えて大笑い。 

あれっ?笑うの?戸惑ったけれど私も一緒に大笑い。

三人でお腹抱えて大笑い。 

数分後ニコニコ顔のまま、小さな手のひらで私の頭を撫でてくれた。 

撫でながら「もうぼうしかぶっていいよ」って言われたので帽子を被った。 

貧相な頭を笑ってくれてありがとう。

頭をなでてくれてありがとう。 

それからは、鏡に映る頭を見て笑うことにした。

笑顔も心を癒してくれた。 

半年後には、自由に延びてきた髪をカットしに美容室へ行った。 

 

Keiko 

 

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