乳房の気になる症状②
先週金曜日ののAIR-G brilliant days Fでは、先週に引き続き、乳腺外科で訴えの多い症状についてお話ししました。
ひとつは乳頭からの分泌物です。
乳頭を圧迫した時に見られるもののことを指す方もいれば、乳頭表面がじめじめしている症状のことをいう方もいます。
じめじめの症状は皮膚炎のことがほとんどですが、乳輪や乳頭がじめじめする乳がんもありますので、きちんと調べます。
やはりマンモグラフィ検査と超音波検査を受けていただきます。
授乳中でなくても乳頭から分泌が起こることがあります。
ホルモンの影響を受けている場合、他の病気のための薬が原因の場合がありますが、乳管という母乳の通り道に腫瘍ができると、そこから分泌が起こることがあり、血液成分を含むこともあります。
画損による検査のほかに、分泌物を採取して血液成分を含むかどうか、また分泌物の中に異常な細胞が存在していないかなども確認します。
かゆみを伴うじめじめは、皮膚炎です。
女性ホルモンの影響でかゆみが出やすくなる場合があり、その時に搔いてしまい傷ができてさらに悪化するという経過をたどる方が多いですが、皮膚が乾燥していたり、アトピー性皮膚炎など皮膚トラブルを起こしやすく治りにくい方に多い傾向があります。
炎症の程度に応じて外用薬で治療します。
分泌の症状のなかに、白いカス状の分泌物が出るというものがあります。
乳輪や乳頭は皮脂の分泌が盛んで、とくに乳輪にはモントゴメリー腺といって皮脂を分泌する部分があります。
誰にでもあるのですが、数ミリの大きさにぷっくりと膨らんで目立つ方と、目立ちにくい方がいます。個人差の範囲です。
これは病気ではありませんが、ときに皮脂がつまって軽い炎症を起こすこともあり、必要に応じ対処します。
それから、乳房やむねの中心に赤いほくろができて来院される方もいます。
これは老人性血管腫というもので、出血するようなことがなければ、対処の必要がないものです。
お肌の色が白い方にみられる傾向があります。
また副乳腺といって、脇のしたや乳房の下に妊娠や出産を機にちいさなふくらみができることがあります。
通常の乳房と異なり、乳汁を分泌する構造を持たないことがほとんどなので、授乳期に痛みが出て辛い方がいます。
現在の保険診療では、その副乳腺を病気とはしておらず、副乳腺切除という術式も保険診療点数というものがついていないため、保険で行うことができません。
気になるかたは美容外科へご相談いただくことになります。手術に対応しているかどうかは個別にご確認ください。
このように、乳腺の病気ではないけれど初めてみつけた変化に驚いて来院される方もたくさんいます。
病気ではないとわかるととても安心されています。
ご自身で判断のつかないことが多いと思いますので、むねの症状は乳腺外科へ受診してください。
Akiko