リスク診断とがん検診
昨日のAIR-G brilliant days Fでは、がんリスク検査とがん検診についてお話しました。
ここ2,3年ほど、乳腺外科外来に、「がんのリスク検査を受けたらハイリスクだったので受診しました」という方がちらほらいらっしゃいます。
会社の健康診断などにプラスして、血液でわかるがんのリスク検査なるものがあるのです。
血中のアミノ酸の濃度や微量元素を測定してリスクを数値化するものが主です。
ある検査方法の結果とリスク判断についての表をみると、たとえば乳がんについては、一般の人に比べてハイリスクの人は4倍乳がんのリスクがあり、ハイリスクグループの250人に1人が乳がんの可能性があると解釈できます。
また別のリスク検査では、もっともハイリスクの場合は42人に1人が乳がんの可能性があると記載されています。
しかし乳がんは現在、日本人女性の9人に1人が罹るがんですので、実は誰もがハイリスクといっても過言ではない状況です。
血液を5~6ml採取するだけで複数のがんのリスクがわかるという検査なので、とても簡単に感じると思いますが、今国内で行われているがん検診に取って代われる検査ではありません。
実際にリスク診断のレポートにも「ハイリスクと判断されたら、がん検診を受けましょう」と記載されています。
このような検査を受けるときには、リスクが高いと判定されたとき、どこにがん検診を受けに行くかについて具体的なイメージを持ってから受けていただくと、結果に慌てることがなくなると思います。
「リスクが高いこと」がイコール「がんに罹っている」ということではありませんので、症状がなくハイリスクと診断された方は、がん検診をうけてもらいたいと思います。
もう9月です。
あっという間に年末になり、年末年始は忙しいから、子どもが受験だから、雪が多いからなど、冬特有のがん検診から遠ざかる理由がたくさん出てくる前に、ぜひ乳がん検診を受ける機会を作ってください。
Akiko