ピルと乳房
最近は、ピルを服用しているという女性は珍しくないと思います。
札幌フィメールクリニックを受診する患者さんも、ピルを服用している方が多くいらっしゃいます。
服用の理由は、月経に伴う症状の改善や子宮の病気、そして避妊目的など複数あります。
ピルはエストロゲンとプロゲステロンの混合製剤です。
現在処方されているピルの多くは、低用量ピルと言って、含まれるエストロゲンの量を、血栓症などの副作用を避けるために少なく調整されているものが主流です。
低用量ピルの服用によって、排卵や子宮内膜の増殖が抑えられ、結果的に子宮収縮に伴う痛みも軽減します。
つらい症状を改善してくれる良い治療薬ですが、実はピルの副作用として、乳房の張や痛みが出ることがあります。
ほかにも吐き気などの消化器症状が副作用として現れることもあります。
乳腺はエストロゲンの影響を受けやすい臓器です。
そもそも乳腺の発達にはエストロゲンが欠かせません。
ピルを服用していなくても、自然な乳房痛はおこります。
生理前や排卵前のエストロゲンの上昇にともない起こる症状です。
しばらく続くけれど、一旦おさまり、またたまに痛くなるなど、症状の程度や頻度がばらばらの場合は、病気ではないことのほうが多いです。
生理がくると徐々におさまりますが、毎回ひどい痛みに悩まされるという女性も、わずかながらいらっしゃいます。
その場合は漢方やホルモン剤での治療が適応になります。
ただ、実際に処方するケースはそれほどありません。
痛みが気になっていても、病気が原因ではないとわかると、安心して気にならなくなるようです。
ときどき起こる症状が気になる方は、ご自身の身体のリズムと変化を記録すると、わかりやすくなって良いですし、セルフチェックの時期もタイミングを見つけやすくなりますよ。
乳房の張や痛みがおさまったら、セルフチェックをしましょう。
写真は初秋の羊蹄山です。
今頃は雪化粧されているでしょう。
今年も残りわずかです。
気になる胸の症状がある方は、お早めに受診を。
Akiko
