乳がんと診断されたら

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昨日のAIR-G brilliant days Fでは、乳がんと診断されたらというお話をしました。

乳がん検診を受けない理由のひとつに、「がんが見つかったら恐ろしいから」という方がいます。

どんな目に合うのかと恐れているのでしょうか。 

どんなふうに、乳がんであることを告げられるのか、ということも不安なのだと思います。 

まず、症状がある方も、症状がなく乳がん検診を受ける方も、基本の検査はマンモグラフィ検査と超音波検査です。 

マンモグラフィ検査は、乳房を圧迫して平たく伸ばしてレントゲン撮影をするものです。

圧迫時の痛みが多少ありますが、長い時間ではありません。 

超音波検査は、乳房の表面にゼリーを塗ってプローブという装置をあてて行う検査です。 

これに視触診といって、医師が見て触れて異常がないかどうかを診察するのが基本です。

乳頭からの分泌がないかもチェックします。 

診察と画像を確認した時点で、がんの可能性がかなり高いと判断した場合は、私はその場でそのことを患者さんにお伝えしています。

そして、次は病理学的検査といって、腫瘍の組織の一部を採取して病理医に診断してもらいます。 

乳がんと診断されたら、ホルモン感受性といって、女性ホルモンの影響を受けるタイプの乳がんなのか、HER2蛋白というものが発現しているタイプなのか、細胞の増殖能は高いのか低いのか、などを調べ、その後の治療法を検討します。 

みなさんは、がんと診断されるとすぐに手術になると考えるかもしれませんが、個別化治療といって、がんが小さくても、その性質に合わせた効果的な治療を選ぶのが標準的です。

例えばホルモン感受性を持たず、HER2蛋白の発現がないトリプルネガティブというタイプの乳がんや、細胞の増殖能が高い乳がんに対しては、手術の前に全身治療として抗がん剤治療を選択する場合もあります。 

がんの大きさにかかわらず個別化治療をすすめるとは言いましたが、やはり早く見つかるほうが命が助かります。

乳がんのステージⅠの場合は、5年生存率はほぼ100%と報告されています。

再発する方がいないわけではありませんが、助かる可能性がとても高いのです。 

日本乳癌学会が編集している、患者さんのための乳がん診療ガイドラインという冊子もあります。

書店で購入できます。 

日本人の2人に1人は生涯に何かしらのがんに罹り、乳がんは9人に1人が罹るとされています。

がんを恐れるのではなく、早く見つける努力をすることが大事だと思います。 

 

Akiko 

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