洗いすぎは禁物

pandatoilet

肛門外科に携わっているため、お尻のトラブルの一つである肛門とその周りの痒みの症状で受診される方が非常に多いと感じています。 

国民性でしょうか?体は常に清潔にしておかなくてはいけないという意識が高いのでしょうね。 

トイレでは必ず温水洗浄便座の洗浄を使用する方。

中には赤ちゃんのおしりふきで、お尻をしっかり拭くという方もおられます。 

そしてお風呂では石鹸でゴシゴシと擦り洗いをする、など患者さんの共通点として言えることは洗い過ぎです。 

受診された患者さんのお尻を診ると、肛門周囲が真っ白だったり赤くただれてジメジメしていたり、ブツブツとした湿疹や黒ずんだ皮膚の変色がみられる状態になっています。 

毎日綺麗に洗っているのに痒みが治まらないのは悩みですよね。 

痒みは我慢できませんし、ストレスにもなります。 

しかしこの原因は洗い過ぎからきていると言っても過言ではありません。

お尻を洗い過ぎると、「皮脂膜」がなくなってしまうからです。 

皮脂膜は皮膚の表面を潤している大切な油分でもあり、皮膚のバリア機能を担っています。

外部からの有害な物質の侵入を防いだり、弱酸性のためバイ菌の増殖を防ぎ皮脂膜の中にいる常在菌が肌を守ります。

また、皮脂膜は皮膚内部の水分を保つはたらきもあるので、洗い過ぎると皮脂膜がはがれ、外部からの刺激により皮膚炎を起こしやすくなります。 

お尻を守る対策としては 

*温水洗浄便座の洗浄機能を長く使用しない 

*肛門に直接シャワーを当てすぎない 

*石鹸やボディソープで肛門をゴシゴシ洗わず、手で撫でる程度に留める 

体の汚れの7割は「汗」だと言われています。

石鹸なしでも落ちるそうです。

残りの3割の汚れは皮脂や角質などの汚れです。

これらには石鹸やボディソープを使用することになりますが、何事もし過ぎは良くないですね。 

お尻の痒みでお悩みの方は、様子をみていても良くなることはありませんので、肛門外科にご相談下さい。 

 

Mami 

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