血栓性外痔核にも効果
血栓性外痔核は、肛門外科外来で頻繁にみられる痔の病気のひとつです。
肛門周りの血流が悪くなり、血栓(血豆、血の塊)ができ、いぼ状になったものです。
突然発症することが多く、同じ姿勢を長時間続けた時や、肛門に急激な負担がかかった時に起きやすくなります。
例えば無理に便を出そうといきんだ時や、体の冷えや疲れで血の巡りが悪くなった時などです。
血液の塊なので、時間とともに溶けて吸収され徐々に小さくなり、痛みも引いていきます。
札幌フィメールクリニックには、このように血栓性外痔核と診断される患者さんが、毎日と言っていいほど来院されます。
当クリニックでは、血栓性外痔核には痔の注入軟膏と、必要に応じて鎮痛剤やヘパリン類似物質クリームを処方します。
私は肛門外科に携わるようになって初めて、ヘパリン類似物質クリームも痔に処方できることを知りました。
ヘパリン類似物質クリームといえば、乾燥肌の治療薬として使用される保湿剤です。
保湿、血行促進、抗炎症の3つの作用があり、全身に使える薬で、皮膚科ではよく処方される薬のひとつです。
効能効果には、きちんと血栓性静脈炎(痔核を含む)と記載されています。
血液を固まりにくくするヘパリンは、皮膚に塗ることで毛細血管の血流を改善させる効果があり、抗炎症作用による鎮痛効果もあります。
急に肛門に血豆ができ激しい痛みも伴う血栓性外痔核。
受診して治療を行うことで症状の軽減が期待できますので、我慢なさらずにご相談して下さいね。
Mami