シルガード9が定期接種に
昨日のAIR-G brilliant days Fでは、子宮頸がんのお話をしました。
がん情報サービスによると、2019年に子宮頸がんに罹った女性は1万人以上で、2020年に子宮頸がんで亡くなった方は約3000人です。
私がいつもお話している乳がんの場合、同じ2019年に新たに乳がんに罹った方は9万7千人ですから、少ないのでは?と感じるかもしれませんが、20代、30代に多く見られるのが特徴です。
そして子宮頸がんの発症は、ヒトパピローマウイルスというウイルス感染が原因です。
子宮頸がんに罹っても、治療で治るケースはたくさんありますが、子宮頸部の切除術により流産を起こしやすくなります。
また子宮を摘出する手術を受ければ、その後妊娠することはできなくなります。
この子宮頸がんは、ワクチンによって予防できることは、これまでもお伝えしてきました。
札幌フィメールクリニックで任意接種を行っている、子宮頸がんワクチンのシルガード9が、4月1日から定期接種の対象ワクチンになりました。
定期接種というのは、国が予防接種法に基づいて、対象者を決めて助成を行うワクチンによる予防接種のことです。
小さなお子様には、たくさんのワクチン接種の機会がありますので、お母さまたちはよくご存じと思います。
これまで、定期接種できる子宮頸がんワクチンは2種類が対象で、サーバリックスとガーダシルがありました。
シルガード9は任意接種で自費でしか受けられませんでしたが、これが追加されました。
対象者:小学6年生から高校1年生までの女子
接種回数:15歳未満で初めて受ける場合は2回
15歳以上で初めて受ける場合は3回
対象者の年齢が低い理由は、ヒトパピローマウイルスへの感染は性交渉により起こるためです。
札幌フィメールクリニックでは、これまで通り任意接種を行いますが、定期接種は対応できません。
お住まいの自治体のホームページなどで、接種ができる医療機関についてご確認ください。
日本人のほぼ100%の子宮頸がんに、高リスクのヒトパピローマウイルス感染が確認されていることから、ワクチンによる子宮頸がんの予防が期待できますので、対象年令のお子さんがいらっしゃる場合は、接種について話す機会をもってみてはいかがでしょうか。
また対象年齢を過ぎてしまった方に、キャッチアップ接種という今からでも受けられる措置があります。
対象者と受けられる期間が決まっていますので、こちらもそれぞれでご確認くださいね。
Akiko