肥満症も治療する時代
昨日のAIR-G brilliant days Fでは、肥満症のお話をしました。
肥満は健康に大きく影響することは、皆さんもご存じですね。
肥満症は病気ではないけれど、肥満症から引き起こされる病気はたくさんあり、糖尿病や高血圧症、脂質異常症いわゆる高脂血症や高コレステロール血症もそうです。
そして心筋梗塞や睡眠時無呼吸症候群もそうです。
WHOでは、BMIが25以上で過体重、30以上で肥満としていますが、日本人は25でも健康への影響が出るため、日本独自には25以上を肥満としています。
厚生労働省はBMI22が、健康障害の少ない標準体重としています。
アメリカでは肥満症が大問題で、肥満症によりコロナウイルス感染の重症化も起こっていました。
肥満症治療のために、胃をバンドで締めて食事量が減るようにコントロールする手術について、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
肥満症の薬物療法もすすんでおり、複数の薬剤が承認されています。
日本では今年1月に、厚生労働省により、GLP-1受容体作動薬セマグルチドが、肥満症の適応が承認されました。
このGLP-1受容体作動薬は、これまで2型糖尿病の治療薬として承認されています。
週1回の皮下注射で、日本人、東アジア人を対象にした検討では、68週で13%以上の体重減少がみられたと報告されています。
肥満症とそれに関連する健康障害を持っている、あるいはその健康障害の合併が予測され、医学的に減量が必要な場合に適応となります。
日本肥満症学会による「肥満症診療ガイドライン」によると肥満症の診断に必要な健康障害として、下記のものをあげています。
(1)耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
(2)脂質異常症
(3)高血圧
(4)高尿酸血症・痛風
(5)冠動脈疾患
(6)脳梗塞・一過性脳虚血発作
(7)非アルコール性脂肪性肝疾患
(8)月経異常・女性不妊
(9)閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
(10)運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)
(11)肥満関連腎臓病
人生100年時代になり、肥満から引き起こされるこれらの病気を早期に治療することで、健康寿命を延ばすことが可能になるでしょう。
とはいえ、肥満は自己責任でしょう!という批判もあると思います。
健康に過ごしたいと思う方は、日ごろから体重を測定し管理すべきでしょうね。
Akiko