大腸憩室とは

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大腸憩室という病変について、聞いたことはありますでしょうか? 

日常行っている大腸内視鏡検査で、たびたび見かける変化です。

医師から説明をすると、ほとんどの方は初めて聞いたとおっしゃいます。 

大腸憩室とは、大腸の壁の弱い箇所が外側に向かって、小さく袋状に突き出た部分です。

くぼみやポケット状になっている状態と表現すると、イメージがつくでしょうか。 

どのようにできるかというと、食物繊維の少ない食事摂取により腸の運動が亢進して大腸内圧の上昇によってできるという説が有力です。

とくに大腸の壁を貫通する血管がある部位が他に比べて弱いことで、その部分に起こりやすいと言われています。

便秘も原因のひとつとされています。 

年齢とともに出来やすくなり、多発してみられる事もあります。 

憩室があっても無症状ですが、憩室のくぼみに糞便がはまり込み、内部で細菌が増殖することで憩室周囲に炎症が起きる場合があります。

大腸憩室炎という病気で、炎症が生じると腹痛、発熱、吐気、嘔吐などの症状がみられます。 

多くの場合は抗菌薬、補液、絶食などの保存的治療で軽快しますが、炎症が進むと重症化することもあります。

膿瘍形成や腸壁に穴が空き、腸の内容物が外に漏れお腹全体の炎症を起こしてしまい、外科的治療が必要になることもあります。 

また大腸憩室からは、出血を起こすこともあります。

多量の出血を起こし命にかかわることもあります。 

憩室があるだけで治療をすることはありませんが、急に腹痛を起こした場合、憩室があることを知っていると、早く診断に繋がります。 

再発防止には食物繊維を積極的に摂取して、便通コントロールが大切となります。 

症状が出るまでは多くの場合は気づきませんが、大腸内視鏡検査で見つかることが多いです。

札幌フィメールクリニックでも、大腸内視鏡検査で憩室の指摘を受ける方は多く、やはり40歳以上の中高年の患者さんに見受けられますね。 

自身の腸の状態を知っておくためにも、50歳を過ぎたら、症状がなくても大腸内視鏡検査は受けておくと良いでしょう。 

 

Mami 

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