甲状腺の病気

昨日のAIR-G brilliant days Fでは甲状腺の病気についてお話しました。
甲状腺という臓器をご存じですか?
首の前面にある内分泌臓器です。
約12gという小さな臓器ですが、身体を維持するために不可欠な甲状腺ホルモンを分泌します。
この甲状腺にも病気が起こることがあり、発症は女性に多い傾向があります。
甲状腺におこる病気は、がんや良性腫瘍そして、甲状腺ホルモンの分泌異常です。
甲状腺にできる腫瘍は、数センチの大きなものでなければ、外から診てわかることはあまりありません。
札幌フィメールクリニックでは乳がん検診の際に甲状腺もエコー検査でチェックしますが、偶然腫瘍が見つかることがあります。
また最近は人間ドックの検査項目の中に、動脈硬化を調べる頸動脈エコー検査が含まれていることが多く、偶然発見されることが多くなっています。
腫瘍があるとわかり、悪性が疑われる場合は細胞診断を行います。超音波検査装置を当てながら、細胞を採取します。
甲状腺がんだとわかっても、1cm以下の乳頭がんというタイプであれば、すぐに手術は行わず、経過をみます。
微小乳頭がんと呼びますが、多くの微小乳頭がんを5年間経過観察した結果、70%は大きくならなかったという報告があり、しっかりと経過を見ていけば、必ず手術を受けなくても良いのです。
がんなのに治療しなくても大丈夫?と驚かれると思いますが、周りのリンパ節が腫れていないこと、腫瘍が甲状腺の外に及んでいないこと、他の臓器に転移がないことなどの条件を満たしていれば、経過をみていくことができます。
良性腫瘍と診断された方も経過観察をしていきます。
途中で急に大きくなるようなものは、細胞診断で良性と診断されていても、手術を検討する必要があります。
次にホルモン分泌の異常ですが、ホルモンが多く分泌される甲状腺機能亢進症や甲状腺の炎症と、ホルモン分泌が減る甲状腺機能低下症があります。
ホルモンが分泌されすぎる病気の代表格はバセドウ病です。
ご存じの方も多いと思います。ほかに炎症により、ホルモンが一時的に多量に分泌されてしまうことがあります。
バセドウ病では、甲状腺が腫れ、動悸や発汗、微熱や手の震え、体重減少など、比較的症状がわかりやすく、眼球が前に飛び出る症状がでることもあります。
治療は内服薬ですが、副作用で内服薬を続けられない場合や、薬による治療ではコントロールできない場合は、アイソトープ治療と言って、放射線が出るヨードを服用して、甲状腺に取り込み、甲状腺細胞を破壊するという治療法です。
しっかりと甲状腺細胞を破壊できると効果は確実です。
一方、甲状腺ホルモンが低下する病気の代表は橋本病です。
症状はむくみや冷え、体重増加や便秘など、甲状腺ホルモンの低下とすぐに結びつくような特徴的な症状がなく、甲状腺の腫れでわかることが多いです。また腫瘍と同じように、頸部のエコー検査で見つかることも多いです。
橋本病の多くは、甲状腺ホルモンに異常がみられないため、治療を必要としない患者さんがたくさんいます。
経過をみて甲状腺ホルモンの低下が明らかになったら、甲状腺ホルモンの服用を開始します。
ホルモンが出すぎるバセドウ病も少なくなる橋本病も、自己免疫の異常によっておこります。
ストレスがきっかけで発症することも多いと言われています。
頸部の腫れが気になるようでしたら、内分泌外科を受診しましょう。
もちろん札幌フィメールクリニックでも診察できます。
Akiko