貧血の新治療薬

anemia

札幌フィメールクリニックでは、手術前検査や貧血の症状がある方に血液検査を受けてもらいます。

女性は月経や妊娠による鉄需要の増大があるので、若年から閉経前の方に多く貧血がみられます。 

貧血とは血液中のヘモグロビン濃度が不足している状態のことをいいます。

ヘモグロビンは血液の流れにのって全身に酸素を運ぶ働きをしますので、貧血になると酸素が行き渡らなくなります。 

特にヘモグロビンの構成成分である鉄不足によって引き起こされる貧血を鉄欠乏性貧血といいます。 

鉄欠乏性貧血の原因は大きく分けて3つあります。 

一つ目は出血によるものです。例えば胃腸など消化管からの出血や月経過多などによる出血が原因となります。 

二つ目は鉄不足によるものです。

ダイエットなどにより栄養バランスが偏り、食事から十分な鉄分を摂ることができなくなった状態。 

三つ目は鉄が吸収しにくくなることです。

鉄の吸収がされにくくなる薬を飲んでいる場合や、消化管の病気で鉄の吸収が上手くいかない場合などに、体内の鉄が足りなくなることがあります。 

貧血がすすむと動悸、息切れ、頭痛、めまい、疲労感などが現れます。 

鉄欠乏性貧血と診断された場合は、内服薬か注射剤による鉄剤投与を開始します。

経口投与であれば2~3ヶ月ほど毎日継続服用となりますが、鉄剤の内服薬には副作用として、嘔気、嘔吐、胃痛、便秘、下痢といった消化器症状が強く出る方がいて、数か月継続治療することが難しい方がおられます。 

注射投与であれば、消化器症状はほとんどおこりませんが、週2、3回、人によっては10回近くの治療が必要で、通院は患者さんにとっては負担であろうかと思います。 

2022年3月にモノヴァーという鉄欠乏性貧血の治療薬が新しく承認され発売されました。

この鉄剤は点滴であれば1回/W、静脈注射であれば薬剤量を減量し2回/Wを2週間ほど投与で、治療効果が得られます。

一度に高用量の鉄を投与でき作用が持続する特徴と、患者さんの通院の負担も軽減できます。 

札幌フィメールクリニックでも、貧血治療で患者さんにモノヴァーを使用しています。

実際に短期間の投与で貧血改善できています。 

色々な病気に対する新薬も次々と出てきますから、病気になっても恐れず治療に期待し臨みたいものです。 

 

Mami 

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