モンドール病
乳腺外科には、毎日乳房のしこりや痛みなどの症状で多くの患者さんが来院されます。
乳房やその近く、とくに脇のしたや二の腕の内側、乳房よりも少し足側の腹部などに、痛みを伴う筋状のひきつれがおこることがあります。
赤みを伴い策状に硬く腫れるもの、腕を挙げたときにつっぱりが分かるもの、硬い筋に沿って皮膚にくぼみができるもの、長さも30cm以上にわたるものなど、症状の程度はさまざまです。
乳房の皮下にもできるので、つっぱりやへこみがあると乳がんではと思い乳腺外科を受診される方がいます。
この病気はモンドール病といい、皮膚の浅いところの静脈に血栓ができておこる血栓性静脈炎です。
若い方にはあまりみられず、中年以降の女性に多いと言われています。
とくに治療の必要はなく、数週間で自然とおさまります。痛みの強いときは、鎮痛剤を処方します。
治療する病気ではありませんが、受診の際の検査によって病気が見つかることもあります。
乳房に気になる症状があれば、乳腺外科を受診してください。
ちなみに写真はモンドールというチーズで、チーズ好きの方ならご存じでしょう。
円い木箱に入っている濃厚な香りと味の、ウォッシュタイプのチーズで、これからの季節だけに食べられる、冬の訪れを感じるチーズです。
Akiko