乳房が痛いのは病気?

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昨日のAIR-G brilliant days Fでは、乳房の痛みの症状のお話をしました。 

札幌フィメールクリニックの乳腺外科に受診する患者さんの症状は、「しこり」以外にも「痛み」「張り」「違和感」などの感覚的な症状が多くあります。 

女の子は、第2次性徴期に入るころに乳腺が発達し始めます。

このときにむねの中心にしこりや痛みを感じることがあります。

今は7歳ころから発達が始まるお子さんもいて、お母様が驚いて娘さんを連れて来院するケースもありますが、生理が始まる前に乳腺腫瘍ができることはほとんどありませんので、成長を見守っていただければと思います。 

そして定期的に生理が来るようになると、生理前や排卵前の時期に、女性ホルモンの影響で乳房の血流が増えて、張りや痛みを感じるようになります。

10代の女性でも、毎月のようにこの症状が出るため、むねの張りを感じると「もうすぐ生理が来る」というサインのようにとらえている方も多いです。 

一方で、40代くらいまでそのような症状を感じたことがないという女性も多くいて、初めて乳房痛を感じて、病気ではないかと心配して来院されると方もいます。 

さらに、70代以上の閉経を迎えて長く経過している女性も、乳房痛を感じることがあり、これまた驚いて来院されます。 

乳房痛のほとんどは、女性ホルモンの影響で、他には乳腺炎なども痛みを伴います。

そして急送に大きくなる腫瘍がある場合も痛みを感じやすい傾向がありますが、乳がんが痛みの原因になっていることは、非常にまれです。 

ただし、乳房の痛みがきっかけで医療機関を受診したところ、乳がんや他の病気が見つかることもありますので、受診のきっかけにはなりうるのです。

そのため、乳房痛だったら心配ないから、受診しなくて良いですよとは言い切れないわけです。 

閉経してから女性ホルモンの影響で乳房痛がでるなんて、おかしいでしょう?と思う方は多いかもしれません。

閉経とは女性ホルモンが低下する状態ですからね。 

実は、閉経しても女性ホルモンはゼロになるわけではありません。

卵巣からの分泌がなくなるだけで、筋肉や脂肪組織でアンドロゲンという男性ホルモンをもとに作られているのです。

しかも、乳房内の女性ホルモンの濃度は、閉経以降も比較的高く保たれているという研究結果も出ています。 

検査の結果、病気はなかったけれど症状を改善したいという方には、漢方薬を試してもらっています。 

自然におこる乳房の痛みの症状は、あったりなかったり、我慢できない程度ではなく、仕事や家事などに集中しているときはあまり気にならないのが特徴です。 

1年に1回、乳がん検診を受け、月に1回のセルフチェックをしながら、どんどん悪化するような症状であれば、乳腺外科を受診してください。 

 

Akiko 

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