銀イオン入り制汗剤
皆さんは、マンモグラフィ撮影の際に銀イオン入り制汗剤を付けてくるのはNGだということをご存知でしょうか?
今は冬で寒いですが、乳房や脇の部分は季節問わず汗が出てきやすいので、制汗剤を利用している方も多いかと思います。
普段撮影の際に、汗が出て申し訳ありませんと言ってくださる患者さんが多いのですが、私はまったく気にしていないので、何もつけない状態で検査を受けていただいて構いません。
なぜ銀イオン入り制汗剤の影響があるかと言いますと、銀は画像上で白く写ってしまう可能性があるからです。
マンモグラフィ画像では、腫瘍や石灰化というカルシウム成分の沈着を評価して診断しますので、人工的な白いものが映り込むと紛らわしいのです。
マンモグラフィ画像上の石灰化というのは、毎日撮影をしていると頻繁にみられる所見の一つで、多くは良性なのですが、なかにはがんの石灰化があります。
銀の成分が写ってしまうと、誤った診断につながる心配があるのです。
もしマンモグラフィを撮影する前に、銀イオン入り制汗剤を付けてきてしまったという方がいましたら、教えていただけたら嬉しいです。
その場合、ふき取ってから検査を受けていただきます。
制汗剤すべてに銀イオンが含まれているわけではありません。
銀イオンが含まれていないものは、撮影前でもつけていただいて大丈夫です♪
ドラッグストアなどで、Ag+のマークがついた商品を見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
銀イオンは雑菌の増殖を防ぐので、それによるいやな臭いを抑える効果があります。
さらにマイナスに帯電した悪臭分子を吸着することによって、汗腺、皮脂腺からの悪臭分子と細菌の増殖が原因で発生する体臭を抑える効果があるそうです。
銀イオン入り制汗剤を愛用している方は、乳がん検診や乳腺外科受診の際は控えていただけると良いと思います。
Wakana