乳がんの切らない治療
昨日のAIR-G brilliant days Fでは、乳がんの切らない治療についてお話しました。
実は昨年にもこの話題でお話したのですが、6月5日の北海道新聞の記事に、その治療法について取り上げられていましたので、あらためて取り上げました。
身体の臓器で腫瘍をつくるがんを固形がんとよびます。
この固形がんに対して、ラジオ波焼灼療法という治療法があります。
肝臓がんや肺がんなどに適応がある治療です。
このラジオ波焼灼療法とは、がんに高周波のラジオ波帯を流し、ジュール熱を発生させて腫瘍を焼く治療です。
AMラジオの周波数と近い高周波で、手術の際に使う電気メスも同じ原理です。
このラジオ波焼灼療法は、これまで乳がんには適応がありませんでした。
ただ、自由診療という形で2000年ころから行われていましたが、再発や転移がみられるようになったことから、日本乳癌学会が注意喚起をし、2013年にRAFAELO試験という臨床試験を開始しました。
早期解析の結果から薬事申請され、乳がんにも適応拡大され、保険適応となりました。
今回の記事は、北大病院乳腺外科の高橋將人教授のもので、北大病院で実際の治療が始まるとのことでした。
6月中に開始予定とのことでしたので、もうすでに治療が始まっているのではないでしょうか。
実施するにあたっては、経験豊富な医師が研修も受けたうえで行うことが必須で、かつがんの大きさが1.5cm以下、がんは1か所だけであること、リンパ節転移がないこと、遠隔転移がないことなど治療の適応となる条件が定められています。
またこの治療終了後には乳房全体へ放射線治療を行うことも必要です。
乳がんを手術で治療する場合は、がんのまわりに正常な乳腺の組織をつけて切除する必要があり、がんが小さくても、切除量はがんの大きさよりも大きくなります。
この治療を適切に行う条件と環境がととのえば、早期に発見された乳がん患者さんに、新たな治療法の選択肢が増えることになります。
乳がんは、早くにみつかると生存率がとても高いがんのひとつです。
セルフチェックで毎月変化がないことを確かめながら、年1回の乳がん検診を受けましょう。
Akiko