乳がんの凍結療法

iceball

昨日のAIR-G brilliant days Fでは、乳がんに対する凍結療法のお話をしました。 

以前、ラジオ波焼灼療法という乳がんの切らない治療が保険適応になり、北大病院 乳腺外科で治療が始まった話題もお伝えしましたが、実は、乳がんの切らない治療に凍結療法というものがあります。

その名の通り、がんを凍らせる治療です。 

乳がんに対しては、現在はまだ保険適応になっていませんが、大きくない腎がんには保険適応があります。

また肺や肝臓の腫瘍に対して、自費で行われています。 

凍結療法は、皮膚科領域で皮膚のいぼなどに対し、液体窒素を使用して行われています。

経験のある方もいらっしゃると思います。 

乳がんに対する凍結療法は、2014年からアメリカで臨床試験が始まり、中間報告で効果と安全性が示されました。 

日本国内でも複数の施設で臨床試験が行われ、凍結療法後にがんはまったく残っていなかったという結果を踏まえ、国内でも自費診療で行っている施設があります。 

局所麻酔でがんに専用の針を刺し、液体窒素や高圧アルゴンガスを利用して、針の先端にアイスボールと呼ばれる氷の塊をつくり、がんを凍結させ破壊する治療法です。 

以前お話したラジオ波焼灼療法というがんを焼いて治療する方法は、腫瘍の大きさやリンパ節転移がないことなど、いくつかの条件がありますが、凍結療法も同じように条件を定めて実施されています。 

凍結療法の優れた点は、凍結すること自体で鎮痛効果が得られるため、局所麻酔で行えることです。

そのため日帰り手術で対応可能です。 

また治療部位の硬さが残るものの、乳房の変形をほとんど起こさないというところも、患者さんにとってとても良い点です。 

乳がんを切らない治療は、乳がん検診などで早期に発見される乳がんが増えていることから、現在は自費で行われている凍結療法も、今後ラジオ波焼灼療法のように保険適応になる期待があります。 

低侵襲治療が適応となるためには、やはり早く小さくがんを見つけることです。

残念ながらがんの完全な予防法はありませんので、日ごろからセルフチェックを行っていただき、年1回の乳がん検診を年間スケジュールに加えてほしいと思います。 

 

Akiko 

 

 

ページ上部へ戻る