ほとんどの乳がんは痛くない
札幌フィメールクリニックの乳腺外科に受診する患者さんの症状で多いのは、痛みです。
痛みがあって触れてみたら、しこりもありそうだという方も多いです。
これまで感じたことのない痛みがでると、悪い病気なのではと不安に思い来院されますが、実はほとんどの乳がんは痛みがありません。
乳房痛のほとんどは、女性ホルモンの影響で、他には乳腺炎なども痛みを伴います。
そして急速に大きくなる腫瘍がある場合も、痛みを感じやすい傾向がありますが、実際に乳がんが痛みの原因であることは、非常にまれです。
ただし、乳房の痛みがきっかけで医療機関を受診したところ、乳がんや他の病気が見つかることもあります。
痛みと病気に関連がなくても、受診のきっかけにはなるため、乳房痛だったら心配ないから、受診しなくて良いですよとは言い切れないのです。
閉経後の女性が乳房の痛みで来院することも珍しくありませんが、閉経後の乳房痛の原因も、女性ホルモンの影響が考えられます。
閉経してから女性ホルモンの影響で乳房痛がでるなんて、おかしいでしょう？と思う方は多いかもしれません。
閉経とは女性ホルモンが低下する状態ですからね。
実は、閉経しても女性ホルモンはゼロになるわけではありません。
卵巣からの分泌はなくなりますが、筋肉や脂肪組織でアンドロゲンという男性ホルモンをもとに作られているのです。
しかも、乳房内の女性ホルモンの濃度は、閉経以降も比較的高く保たれているという研究結果も出ています。
生理的な乳房の痛みは、あったりなかったり、我慢できない程度ではなく、仕事や家事などに集中しているときはあまり気にならないのが特徴です。
1年に1回、乳がん検診を受け、月に1回のセルフチェックを行っていただき、異常がなければ様子を見てください。
四六時中続く痛みや我慢できない痛みがあるときは、乳腺外科を受診してください。
Akiko
