副乳腺
先週金曜日のAIR-G brilliant days Fでは、副乳腺についてお話しました。
腕とわきのカーブのところにふくらみがある、という症状で乳腺外科外来を受診する方がいらっしゃいます。
乳房の外側でわきの下のあたりが、ふっくらとしている方がいて、これは副乳腺(ふくにゅうせん)と呼ばれるものです。
雌の犬や猫を飼ったことのある方は、おっぱいがたくさんあるのをご存知ですよね。
4足の哺乳動物は一度にたくさん子供を産みます。
おっぱいもその分、たくさん発達します。
哺乳類は腋窩(わきの下)から足の付け根まで乳腺のもと(乳腺堤)があり、ヒトの場合は、大胸筋の前の1対だけが発達します。
サルも1対です。
イヌやネコは胸から腹にかけて6~8対発達し、ウシやウマは、後ろ足の付け根に2対です。
ヒトの場合でも、他の部位の乳腺のもとが残って、わきや乳房の下に乳腺組織が発達し、時には乳頭も形成することがあります。これが副乳腺です。
成長期の乳腺の発達に伴って、この副乳腺も少し膨らんでくる方がいて、一部の方はその中心に小さな乳輪と同じか少し薄い色素をみとめます。
妊娠・授乳期に、この副乳腺が目立ってくるという方もいます。
おっぱいが張る症状と同じように、副乳腺にも張りや痛みが起こる方もいて、人によっては痛みが強い場合もあります。
副乳腺そのものは病気ではありませんので心配いりません。
ただ、副乳腺が発達していると腕を下げたときに、わきにぽっちゃりと脂肪組織が目立ちます。
見た目が気になるという理由で、どうにかできないかと相談されることもありますが、健康に害を及ぼすものではないため、治療などはありません。
副乳にがんが生じる非常に珍しいケースもありますので、定期的にセルフチェックをしていただき、副乳腺の部分に硬く触れるしこりなどを感じた場合は、乳腺外科を受診してください。
やわらかい場合は、そのままで問題ありません。
Akiko