選定療養
昨日のAIR-G brilliantdays Fでは、選定療養のお話をしました。
聞きなれない言葉だと思います。
患者さんが自己負担で選ぶことができる医療のことで、保険適応外の診療や治療、検査などが含まれます。
入院の際に、自己負担で個室を利用することも、この選定療養です。
今年10月から、あらたな選定療養のルールができました。
先発医薬品の処方に対するきまりです。
同じ成分の後発医薬品が存在するお薬を、先発医薬品で処方してもらいたい場合に、少し自己負担が増えることになりました。
まず、先発医薬品とは一番初めに開発・発売されたオリジナルの薬のことです。
後発医薬品はジェネリック医薬品とも呼ばれますので、多くの方はご存じと思います。
今回の制度について解説しますと、Aという1錠200円の先発医薬品があり、同じ成分のBという後発医薬品が1錠120円の場合、AとBの差額80円のうち、その4分の1の20円を自己負担するというものです。
この負担金には保険適応がありませんので、これまでの医療費に、1日当たりの薬の差額×処方日数という料金が上乗せされます。
後発医薬品がいくつもある場合は、一番値段が高いものとの差額で計算されます。
医療費の負担は10円単位となっていますので、4分の1ちょうどにならない場合もあります。
日本では、ジェネリック医薬品の処方件数を増やすことを目標にしています。
どうして推奨するのかというと、先発薬よりもジェネリック医薬品のほうが、価格が安いからです。
日本では高齢者の割合がどんどん増加しているのは皆さんご存じの通りです。
加齢に伴い服用する薬の量も増えていく傾向があるため、医療費の増大が問題となっているのが理由のひとつです。
ジェネリック医薬品を選んでいただくことで、医療費を減らすことにつながり、さらに患者さんの負担が減ることにもつながります。
新薬の開発には膨大な資金と時間が必要で、最初に新薬が承認されると、開発した製薬会社が特許の形で独占販売を許されますが、それには期限があります。
特許期限が過ぎた際に、新薬を開発した会社がほかの会社に製造販売を認めることで、後発薬がつくられ始めます。
後発薬といっても、実は分類があり、まったく同じ原料、同じ製法、同じ製造工場で作られた先発薬そっくりで名称が違うというものと、まったく同じ原料・製法だけれど別の工場でつくったもの、そして原料が一部異なり、かつ別の工場でつくったものがあるのです。
ちょっと「えっ?」という反応をしてしまいますよね。
どのタイプであっても、それぞれが後発薬として厚生労働省に申請し承認されたものです。
先発薬と比べて効果が同じで、医師も後発薬の効果をみとめて勧めるのであれば、検討してみるとよいと思います。
Akiko