ウイルス性胃腸炎の予防

冬になると、インフルエンザ感染症のほかに感染性胃腸炎の患者さんが増えます。
感染性胃腸炎の原因には、細菌性とウイルス性がありますが、冬はウイルス性胃腸炎が多く、とくにノロウイルスとロタウイルスが大半を占めます。
実際に毎年冬になると、飲食店でのノロウイルス集団感染が報道されています。
病原体であるウイルスが身体に入り、それが胃腸に感染することで起こるのがウイルス性胃腸炎です。
ウイルスに汚染された二枚貝などを生で食べたり、感染している人がいる場でウイルスが付着した食事をとったり、または手指についたウイルスが口から入って感染します。
とくにノロウイルスは18個のウイルス粒子でも感染してしまうおそれがあり、ほんの少量身体に入ってしまうだけで、激しい症状を起こします。
症状は、腹痛と嘔吐、下痢、発熱です。病原体の種類により症状は少し異なります。
ウイルス性胃腸炎に対する特効薬はありませんので、症状に応じた治療になりますが、主に脱水を補正する治療です。
嘔吐や下痢があっても、水分摂取ができるのであれば、自宅で安静にしてもらいます。
小児や高齢者は脱水になりやすいので注意が必要です。
ノロウイルス感染の症状は1日から2日でおさまります。
ロタウイルス感染はもう少し長く、5日程度続きます。
便の検査でウイルスを特定することができますが、治療法が変わるわけではありません。
下痢をしているときは、使用後のトイレを流すときにフタをしめてから行うようにし、汚れた場合は素手で触らず、塩素系漂白剤を使って掃除しましょう。
予防法は手洗いです。
どの病原体も手指から体内に侵入する場合が多いので、手洗いが基本です。
キッチン回りも清潔を保ちましょう。
Akiko