処方薬のおはなし

5月2日のAIR-G’「ふふふ」では処方薬のお話をしました。
札幌フィメールクリニックに何度か通院されている患者さんから、病状がおちついているので、次回は診察なしでお薬をもらえますか?と訊かれることがあります。
他にもお電話で「前回と同じ薬だけもらいたいけれど、どうすればよいですか」というお問い合わせもあります。
長く通院しており、病状が安定していたら、窓口で薬だけ受け取れると便利だと思う方が多いようですが、診察をせずに処方をすることはできません。
これは「医師法」という法律に定められていることです。
医師法第20条に、医師は自ら診療をしないで、治療や処方を行ってはならないと定められているのです。
そして、対面で経過をお聞きすることはとても重要です。
処方薬で落ち着いていると受付で話していた患者さんに診察室でお話をきくと、実は便秘薬の効果が不十分でまだ便が硬いということがわかったり、ときどき出血するけれど、ご本人が気にしていないため放置しているなど、ときどきあるのです。
また最初にお伝えした薬の使い方や飲み方を忘れてしまって、自己流になっている場合も珍しくありません。
札幌フィメールクリニックでは、症状が落ち着いており長く同じ薬で経過を見ている方には、なるべく長期処方するよう対応しております。
痔の軟膏なら2か月分、便秘薬なら3か月まで処方が可能です。
また、2,3か月ごとの定期通院で安定している場合は、オンライン診察にも対応しています。
オンラインでお話して最近の様子をお聞きした上で、必要な処方薬があれば郵送しています。
処方箋ではなくお薬をお送りするので、調剤薬局へ行かなくても良いので、便利だと思います。
また、市販でも同じ薬が手に入る場合は、セルフメディケーションと言って、ご自身で購入してもらい同じ用量で治療を続けてもらう場合もあります。
では、最初から市販薬で良いのでは?と思うかもしれませんが、診察時には、病状の説明だけでなく、日常生活の工夫や気を付けてほしいことを指導していますし、飲み薬の調整の仕方や、症状に応じた外用薬の使い方を細かく説明しています。
購入した薬ではよくならなかったという患者さんにお会いすることもありますが、診察を受けていただくと、市販の薬と成分はさほど変わらなくくても、理解が深まりその後の対応に違いが出てくるのです。
忙しくてなかなか受診できないという方も多いですが、一時的に市販薬で対応していただき、それがなくなるまえに受診してみてはとお伝えしています。
また、初めて受診された方からも、長期処方の要望が多いのですが、薬の効果を確認することが必要ですし、また処方薬の服用や使用でアレルギー症状が出ることもあります。
副作用が出てしまった薬がたくさん手元に残ってしまうことにもなりかねないので、初めて受診された時は2,3週の処方とし、再診時に効果を確認します。
なんとなく治療するということにならないよう、患者さんから良く状況を聞いて対応しますので、つらい症状を我慢している方はご相談いただければと思います。
Akiko