かくれ貧血

札幌フィメールクリニックでは、日帰り手術を受ける方へ術前の説明と一緒に、健康状態を診るために血液検査を受けていただきます。
その際に、ご本人に自覚症状のない貧血が見つかる方が、意外と多くおられます。
そして、ほとんどは鉄欠乏性貧血です。
貧血の程度が強い場合には、安全に手術を受けていただくために、まず貧血の治療を開始します。
鉄剤には内服と注射剤がありますが、手術を控えているため、早くに効果が出る注射剤を選ぶことが多いです。
程度が軽い場合は、予定通りに手術をすすめ、通院のたびに注射剤での治療を行います。
貧血かどうかの指標は、血色素量(Hb、ヘモグロビン)が女性は12g/dlを下回るのが基準とされています。
貧血の一般的な症状は、動悸、息切れ、倦怠感、顔面蒼白などありますが、貧血がゆっくりと進行した場合は、症状を感じづらい人もいます。
血液検査によって気付いたら重度の貧血だったということも少なくありません。
貧血は栄養不足や個人の体質で鉄分を吸収しにくいこともありますが、急に症状が出てきたり、血液検査の結果が急に悪化した場合は、他の疾患が隠れている可能性もあるので、ただの貧血だと放置するのは、とても危険です。
生理周期のある女性の場合は、男性よりも貧血の方の割合が高いので、原因が見つかる可能性の高い婦人科の受診を最初に考えるとよいでしょう。
胃潰瘍やポリープ、潰瘍性大腸炎、大腸がんなど消化管から少しずつ出血が続いているというケースもあるので、婦人科で異常がなければ、消化器内科の受診を検討してください。
動悸・息切れで疲れやすいと感じても年齢のせいかな・・と思いがちですが、ゆっくりと貧血が進行しているかもしれません。
不調が続く方は放置せずに、まずは婦人科や内科受診をして相談してみるといいですよ。
また1年に1回は健康診断を受けていただき、貧血もふくめ異常がないか確認しましょう。
Miya