乳がんの診断

昨日のAIR-G 北川久仁子のふふふでは、乳がんの診断についてお話しました。
日本では現在、1年間にあらたに乳がんと診断される女性は約10万人です。
日本人女性がもっとも罹りやすいがんです。
札幌フィメールクリニックの乳腺外来を受診された方に、このことをお伝えするととても驚かれます。
また、60代の患者さんに「乳がんの好発年齢は60代ですよ」と伝えると、それも驚かれます。
乳がんに罹る女性は35歳くらいから増え始め、40代後半と60代にピークがあります。
そして70代前半も多いです。
乳がんを完全に予防することは難しいですが、月1回のセルフチェックを定期的に行っていただき、1年に1回の乳がん検診を受ける機会を作ってほしいと思います。
今回は、検査で乳がんが疑わしいとなったとき、そのあとどのような経過をたどるのか、お話したいと思います。
画像診断から乳がんが疑われる場合は、腫瘍から組織を採取する検査を行います。
局所麻酔を使用し、専用の針を使って腫瘍内部から数本の組織をとって、病理医に診断してもらいます。
病理結果が出るまでは7-10日ほどかかります。
病理検査では、腫瘍ががんなのかどうかをまず診断してもらいます。
乳がんと診断された場合は、引き続き免疫染色という特殊検査を追加し、乳がんの性質を調べます。
どのがんであっても、診断された場合は、がんの進行程度を評価します。
腫瘍の大きさや臓器によってはその深さ、周辺のリンパ節への転移があるかどうか、遠くの臓器に転移があるかどうかを調べることで、病期(ステージ)が決まります。
乳がんの場合は、ステージだけではなくその性質も判断材料に加えて、どのような治療をすすめていくかを決めるのですが、その際に必要な情報が免疫染色の結果なのです。
女性ホルモンの影響を受けるタイプの乳がんなのか、分子標的薬という薬が効くタイプの乳がんなのか、そしてがん細胞の増殖能力なども調べます。
これらの結果とステージを合わせて評価し、手術でがんを摘出することを優先するのか、全身治療としての抗がん剤治療を優先するのかを判断します。
乳がんがどのような状態なのか結果をきいていただくときは、多くの情報をお伝えすることになり、毎回患者さんに伝わっているか気にしながら説明しています。
札幌フィメールクリニックでは速やかに診断し、専門医に紹介して良い治療を受けられるようにしていますので、しこりをふれる症状があるときは受診してください。
Akiko