優しく洗って

みなさん、お尻は常にきれいにしておきたいと、洗いすぎてはいませんか?
夏なので蒸れるからと、一生懸命に洗っていませんか?
札幌フィメールクリニックにはオールシーズン、お尻の痒みの相談で多くの方が受診に来院されます。
ほとんどの方の診断は、肛門周囲の皮膚炎です。
程度は様々ですが、主な症状は肛門周囲の皮膚の痒みの他、赤くなったり、かさつき、つっぱり、ただれ、痛みなどが生じます。
患者様の中には寝ている間にも掻いているのか、目覚めると出血していたという方もおられます。
共通することのひとつに、便の性状が軟らかすぎたり粘り気が強いと感じている方が多いことです。
痔や肛門周囲の皮膚の垂みに便が付着し拭いても拭いても便がペーパーに付いてくる、とお話されます。
気になるので、トイレの度に温水洗浄便座でよく洗ったり、石鹼やボディソープでゴシゴシ洗う習慣になってしまったようです。
強く拭くことは、肌には良くありません。
何故かと言いますと、石鹸やボディソープには界面活性剤が入っており、洗いすぎると皮脂を過剰に奪い肌の乾燥を招きます。
また過度な洗浄や摩擦によって皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や炎症を引き起こす可能性があります。
加齢による変化があると、さらに影響を受けやすくなります。
札幌フィメールクリニックで治療開始にあたり、悪化させない対策として、まずは医師の指導通りに治療に専念していただくことをお伝えしています。
治療を中断すると改善に至らず、症状が長引いたり繰り返したりで悩ませる病気だからです。
併せてお尻を洗うときは、石鹸など使わず手のひらで優しく洗い、温水洗浄便座を使用する場合は弱い水圧で軽くすすぐ程度、ペーパーは押し当てるように優しく拭いてくださいと説明しています。
お尻の皮膚炎を起こしている時の入浴は、長時間は避け温めのお湯で済ませましょう。
身体が温まると痒みが増す可能性があるからです。
市販の薬などで様子をみていても改善しないケースが多いですので、長引く方は医療機関を受診されることをお勧めします。
Mami