酸化マグネシウム

先日外来で、便秘症の治療でマグミット錠(酸化マグネシウム)を長期に処方している患者さんから、今後この薬の保険適応がなくなると聞いて心配ですと言われました。
そのような情報は薬の販売元から聞いていませんが、どうやらSNSなどで、酸化マグネシウムの保険適応外しが行われるのではという噂が広がっているようなのです。
知りませんでした。
少し調べてみると、今年の4月17日に開かれた社会保障改革についての自民党、公明党、日本維新の会の3党協議で、日本維新の会が保険外しを提案した薬のリストの中に、酸化マグネシウムが入っていることが一つの理由かと推測しました。
実際には、保険が外されることについて正式な発表はありません。
酸化マグネシウムは、安価で効果が期待できる便秘薬で、私も毎日多くの患者さんに処方しています。
一般に市販もされている薬なので、患者さんの中には、受診できなかった間に市販薬を購入して対応していましたという方も、少なくありません。
手軽に購入でき効果を実感できる、たいへん良い薬です。
非常によい薬ですが、腎機能が低下した方への投薬には注意が必要です。
また同時に服用すると一部の他の薬剤の効果を妨げる可能性もあり、配慮が必要です。
年齢が高い方に処方するときは、1年に1,2回の血液検査でマグネシウム値の測定が必要とされており、実際に札幌フィメールクリニックでも、定期的に血液検査を受けてもらっている患者さんがいます。
このように管理が必要な面もある薬ですので、保険適応外になる場合には必ず、処方している医療機関や調剤薬局へ正式なお知らせがあると思います。
SNSの書き込みなどを読んで不安を募らせることなく、服用している方は引き続き、主治医のもとで処方を受けてください。
Akiko