便が出ない
肛門の出口まで便が下りてきているのに、いきんでも便が出せず、お腹が苦しく、肛門周囲も痛くて身の置き場がなく受診される患者さんが時折診られます。
以前勤めていた職場では、救急車を要請して搬送されてくる患者さんもいる程、辛いようでした。
幼児から高齢者まで、さまざま年代の人にみられます。
これは直腸の排便反射機能が鈍くなったり、便意を我慢しているうちに大量の便が直腸内に留まり、水分が吸収され、便がカチコチに硬くなり、自力では出せなくなってしまうことによります。
肛門付近で溜まった便はどんどん大きく硬くなり、肛門の拡がりの限界を超えてしまいます。
痛みや出血を伴うこともあります。
患者さんからは、毎日便は出ていたが少量ずつだった、あるいはちょっと我慢してしまってからまったく出なくなってしまったという経緯をお聞きします。
このようにならないためにも、便意を感じたらすぐにトイレに入って排便するようにしましょう。
とくに便秘をしやすい方はタイミングを逃すと便が出なくなってしまいがちです。
肛門が便で塞がった状態になると、焦って自分の指を肛門に入れて掻きだしたり、市販の浣腸で出そうと試みるという方もおられますが、そういった行動は、肛門や直腸の粘膜を傷つける恐れがあるので、まずは医療機関を受診してください。
Mami