便秘にまつわるお話

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先月、慢性便秘をテーマにした講演会に参加しました。 

今回は座長を任せていただきました。

ちょっと緊張しましたよ。 

 

講演をしてくださったのは、便秘診療とその研究で活躍されている、横浜市立大学の中島先生と旭川のくにもと病院の安部先生です。

とても有名な先生方です。 

 

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お二人とも、学術的な内容もウィットに富んだ表現でお話してくださり、興味深く聴かせていただきました。 

その中で、目が覚めるようなお話をお聞きしましたので、昨日のAIR-G brilliant days F でお話してきました。 

 

 便秘は死ぬリスクのある病気 

アメリカで行われた15年間の追跡調査の結果で、便秘症がある人は、便秘症ではない人に比べて生存率が低くなることがわかりました。 

また、国内での調査でも、排便回数が少なくなるほど、心臓血管系の病気や脳卒中による死亡リスクが高くなると報告されています。 

 

□ すべての哺乳類は12秒で排便する 

どの哺乳類も、身体の大きさにかかわらず、排便時の腸内圧力には差がなく、またその長さも、それぞれの動物の直腸の直径の5倍程度で、これも差がないそうです。 

中島先生は、たまに排便時間をはかっているそうですよ。 

私の外来で便秘治療を受けている患者さんの中で、排便がこんなにスムーズに行えるとは知らなかった、とおっしゃる方も珍しくありません。 

排便は困難なものではありません。痛みや出血を伴う排便は普通ではありません。辛いと感じている方は、改善の余地がありますよ。 

 

□ 便意はどこで感じるのが正解か 

食事をとると、大蠕動という強い腸の蠕動運動がおこり、便が直腸内に移動します。すると直腸の壁が伸びて、この刺激が脳に伝わり、便意を感じるしくみになっています。 

正常な便通の場合は、便意を脳で感じるのです。 

ところが、便通が整っていない場合は、お腹の痛みを感じてトイレに行ったり、便意はないのにトイレに長くすわっていきみ、無理な排便をしてしまいます。 

私はよく、快便のひとはトイレにいる時間は2,3分で、排便したのか排尿したのかを悟られるようなことはないものですよ、と患者さんに話しています。 

 

便秘薬は誰でも簡単に買うことができますが、自己流では良いお通じにたどり着けないこともあると思います。 

ぜひ肛門外科や便秘外来でご相談くださいね。 

 

Akiko 

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