スティグマ

osaka

スティグマという言葉を聞いたことがありますか? 

スティグマ(stigma)は、直訳すると汚名、恥辱です。 

ある特徴をもつ人々をグループ分けして、その人たちにネガティブな認識をもち、ネガティブな言動や行動を向けることをいいます。 

病気を持つことを周囲に知られ、病気に理解がないことで起こるスティグマがあります。

がん患者さんにも、このスティグマが起こることがあります。 

乳腺外科外来で患者さんに乳がんの診断を伝えた際に、仕事が続けられるのかを心配される方が多いです。

治療を受けるには費用がかかりますので、可能ならば仕事を継続したいと考えるのはもっともなことです。 

中には、仕事を辞めて治療に専念したいと考える方もいますが、仕事を続けたいと思っている方には、がんを治療しながら仕事を続けられる可能性は十分にあるので、まずは直属の上司に伝え、協力してもらえるようお願いしましょう、と伝えています。 

乳がん治療において、手術の際の入院期間はある程度決まっていますが、再発予防のためにがんの治療を継続するためには、定期的な通院が必要です。

ときには仕事の休みをもらって受診する必要が出てきます。

また抗がん剤の治療を受けると、体調不良で思うように働けないことや、脱毛などの外見の変化により、社会とのかかわりに消極的になることもあります。 

理解が得られず悩む方、あるいは過剰に気遣いをされて悩む方など、悩みの内容はさまざまですが、がんになったことで働きにくくなった、暮らしにくくなったと感じる方が多いのは事実でしょう。 

がん医療はまさに日進月歩で、2,3年前を振り返るだけでも、新薬の登場、薬の適応の拡大など、どんどん進歩を遂げています。

がん医療がますます向上することは、すべての人の願いだと思いますが、このスティグマがなくなり、がんとともに生きる人々がもっと暮らしやすくなることも、大切なことです。

 日本人の2人に1人はがんに罹る時代です。

みなさんもちょっとだけ考える機会をもっていただけたら嬉しいです。 

 

Akiko 

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