過敏性腸症候群
昨日のAIR-G brilliant days Fでは、過敏性腸症候群のお話をしました。
3月になり、進学や就職、転勤などで送別会や友人同士の会食などの機会が増える方も多いかと思います。
宴会などでいつもよりたくさん食べたあとに、お腹を壊してしまったことがあるという方、珍しくないと思います。
たくたん食べすぎたり、脂っぽい食事をとったり、お酒をたくさん飲むなどをきっかけに、一時的にお腹の調子が悪くなることは、あまり問題ではありませんが、これが頻繁に起こってしまう方がいます。
そうなるとやはり日常生活に支障がでます。
肛門外科の診療では、そういったお腹の不調のお悩みも、多く相談されることのひとつです。
食欲はあるのに、食べるとすぐにおなかが痛くなり下痢をおこし、人によってはその後に便秘になってしまう、お腹が張るなどの症状が出る方もいます。
腸にがんや炎症などがないのに、腹痛やお腹の張り、下痢や便秘を起こしてしまう病気を、過敏性腸症候群といいます。
この過敏性腸症候群の原因ははっきりしていませんが、食べたり飲んだりしたものによる直接の影響の他に、下痢への不安により、決まったものを口にしなくても不調を起こす場合も多くあります。
また胃腸炎を起こしたあとから、過敏性腸症候群の状態に陥ってしまう方もいます。
過敏性腸症候群の患者さんに多くみられる困りごとのひとつが、外食をしたくないということです。食事中にお腹をこわしてトイレに駆け込むようなことになる不安が強く、できれば避けたいと話します。
また、通学や通勤途中でお腹をこわすことも多く、途中で立ち寄りやすいトイレの確認をしています。
腸は自律神経のバランスにより活動がコントロールされていますので、不安や緊張などが原因で、症状が出てしまうこともあります。
不安に思えば思うほど交感神経が優位になり、腸の動きが高まりすぎてしまうためです。
過敏性腸症候群に根本的な治療はありませんが、生活を見直してもらうことと、整腸剤などプロバイオティクスや過敏性腸症候群に効果のある薬を処方し、症状が改善するか経過をみます。
薬が効くと症状の頻度が減り、生活しやすくなります。
いつも下痢や便秘を繰り返し、お通じの前はお腹が痛くなるのが当たり前と思って生活している方、一度受診してみてはいかがでしょうか。
Akiko