慢性便秘薬 グーフィス

札幌フィメールクリニックには、慢性便秘でお困りの患者様が多く受診されます。
初めはご自身で選んだ市販の下剤で対処できていても、徐々に効かなくなったという事例が多いです。
市販の下剤にはセンナ、大黄、アロエといった、大腸を刺激する成分が含まれており、長期にわたり服用すると、大腸の神経機能を低下させ、便秘がさらに悪化する恐れがあります。
このような慢性便秘の方には、長期で服用しても習慣性・依存性がない薬を選び、自然な排便に近づけるよう、患者様の便通状態をみながら個別に処方しています。
大腸を刺激しない薬は数種類ありますが、1種類で良い方もいれば、数種類組み合わせて改善がみられる方など様々です。
数種類ある慢性便秘薬の一つにグーフィスという薬があります。
グーフィスは小腸で胆汁酸の再吸収を抑制するため、大腸に胆汁が多く流れることで便を柔らかくし、また腸を動かす作用もあり、便通改善の効果を発揮してくれます。
飲み方は通常1日1回朝食前に、2錠から服用します。
何故朝食前に服用するかというと、胆汁酸は肝臓で作られ胆のうに一時的に貯留、濃縮し食事とともに十二指腸に排出されます。
胆汁酸は主に食事の中の油成分、脂肪酸、脂溶性ビタミン、コレステロールの腸管からの吸収を妨げます。
食事により排出される胆汁酸に効率よく働くように食前に飲むようになっています。
効果が現れる時間は平均で5時間位と言われていますが、人によりまちまちです。
効果が強すぎれば1錠に減量し、弱すぎれば3錠に調節します。
また効果が出るまでの時間がはっきりとわかったら、服用のタイミングの調整も検討します。
効きすぎると腹痛や下痢を起こすことがあり、「自分には合わないのかしら?」と自己判断で中断してしまう方がおられます。
これまで腸の動きが低下していたのが、グーフィスにより便通改善の効果が出ていると判断できますので、自己判断せず服用の工夫については、適宜医師に相談していきましょうね。
Mami