大腸がん検診のすすめ

先週金曜日のAIR-G’ ふふふでは、大腸がん検診のお話をしました。
札幌フィメールクリニックには、健康診断の便潜血検査に引っ掛かり、大腸内視鏡検査を受けに受診される方が、毎日のようにいらっしゃいます。
中には、過去3年くらい連続で精密検査の指示が出たのに、忙しくて検査を受けてこなかったという方もいます。
日本では、大腸がんを見つけるためのスクリーニング検査として、便をとって容器に入れて提出し、血液が含まれていないかを調べる、便潜血検査が行われています。
とても精度の高い検査方法で、ごく少量の血液でも検出できる、優れた方法です。
ただし、痔があって出血している場合も陽性となってしまい、区別して判断することはできません。
日本国内では、男女とも生涯に2人に1人は、何らかのがんに罹ると言われていますが、中でも大腸がんは、男性は10人に1人、女性は12人い1人が罹ると統計されています。
患者さんの数は年々増えており、かつ、死亡率も上昇しています。
実は、大腸がんで亡くなる患者さんの数は、日本の約3倍の人口がいるアメリカよりも多いのです。
違いは何かというと、がん検診の受診率です。
統計の方法によりばらつきがありますが、日本の大腸がん検診受診率は、男女とも50%未満です。
欧米では70-80%と言われています。
さらに、精密検査の指示が出ても、おしりからカメラを入れる大腸内視鏡検査に抵抗があり、受診をためらう方が多いことも、理由のひとつです。
アメリカでは国で統一した保険制度がありませんので、大腸内視鏡検査を受けるのには数十万円のお金がかかるので、がん検診を受ける意識が大きく違うのも一つの理由かと思います。
日本では国民全員が医療保険に加入することができ、さらに医療費も施設間の差はなく一律です。
そのため、いつでも自分で選んだ医療機関を受診できます。
何かあったら、どこか病院を受診すればよいからと考えてしまいがちです。
でも、どのがんもそうですが、早期に発見できないと、命を脅かされるのです。
大腸がんも早期に発見できると、治る見込みの高いがんの一つです。
とくに50歳以上から大腸がんに罹る方が増えますので、お年頃の方は毎年の便潜血検査をうけていただき、5年に1度くらいは、人間ドックなどでの大腸内視鏡検査を受けることを検討してほしいと思います。
日本では、自費で大腸内視鏡検査を受けるとしても、数万円の自己負担で受けられることが多いです。
札幌フィメールクリニックでも、大腸がん検診として大腸内視鏡検査を受けていただくことができます。検査のための薬の処方と、診察、検査、結果説明を含めて2万円です。
安くはありませんが、まったく異常がなければ毎年は必要ありませんので、節目の年齢などに機会をつくってみてはいかがでしょうか。
Akiko