痔は手術したほうが良いの?

昨日のAIR-G’「ふふふ」では、痔の手術のお話をしました。
札幌フィメールクリニックの女性肛門外科外来での診察で、患者さんからよく質問されることのひとつが、「私の痔は、手術をした方が良いですか?」というものです。
痔の症状で受診する患者さんの受診のきっかけは、おおまかに2つのタイプがあります。
まずは、急にいぼ痔が腫れて驚いて急いで受診したという方です。
手で触れるような痛みを伴う腫れができると、みなさんすぐに受診を考えるようです。
この場合の多くは、一時的な腫れである血栓性外痔核の場合が多いです。
血栓性外痔核は手術で摘除しなくても、薬の治療で徐々に小さくなっていきますので、基本的には保存的治療です。
血栓がとても大きく、痛みが激しい場合は手術も検討しますが、その頻度はとても低いです。
急に腫れるつらいいぼ痔には、嵌頓痔核というものもあります。
肛門の中から外まで大きく腫れて、飛び出した部分が戻らなくなってしまった状態で、一部は血栓性外痔核になっていることもあります。
この場合も、すぐに手術ではなく、痛み止めを服用してもらいながら、内服や軟膏で治療します。
どちらの場合も患者さんは、「すぐに手術をしましょう」と言われるのではないかと、恐れながら来院されます。
手術は必ず必要ではないので、まず治療を始めましょうとお伝えすると、とても安心されます。
そしてもう一つのタイプは、長年ご自身はいぼ痔があると感じていて、これまで受診する機会がなかった方です。
妊娠や出産をきっかけに症状が出たという方も多いです。
患者さんは手術で治すしかない!という強い思いで来院されることもありますが、まだ未治療の状態なので、初めは軟膏などでの治療をおすすめします。
それでも、手術への決意が固く、最初の受診のときに手術を仮予約して帰宅される方もいらっしゃいます。
そのような患者さんも、2回目の来院のときには、症状が改善したので、手術を見送りたいと話される方が意外と多いのです。
痔は良性の病気ですので、手術が必須ではありません。
痛みや出血が起こらなくなれば、多少いぼ痔が飛び出していても気にしないという方もいれば、勇気をだして肛門外科を受診したので、しっかり治したいという方もいます。
まずは思い込まずに受診していただき、どのような状態なのか、どこまで治したいのか、どのような治療方法があるのかをよく聞いていただいた上で、治療方針を決定しましょう。
日々、おしりの症状で悩んでいる方はぜひご相談ください。
Akiko