肛門の機能
私達は日常過ごすうえで、便意を感じてもトイレに入るまで我慢ができます。
何故我慢することができるのか、考えたことがありますか？
我慢することができなければ、トイレに行く前に便が漏れてしまいます。
どうして我慢できるのかというと、肛門の特徴的な機能のおかげです。
肛門には内肛門括約筋と外肛門括約筋の2種類の筋肉があり、肛門の開けしめをコントロールしています。
内肛門括約筋は、お尻を締めようと意識しなくても自律神経の働きでお尻を締めてくれます。
この自律神経により寝ている間も便は漏れません。
外肛門括約筋は脊髄神経に支配されているので、自分の意志で締めたり緩めたりできます。
直腸に便が溜まると直腸の筋肉が伸縮して、直腸の内圧が上昇します。
この時には内肛門括約筋は緩んできます。
同時に便意を感じるので、トイレまで我慢すると意識することで、外肛門括約筋の力で漏れずにすみます。
この圧力の変化と直腸のセンサーによる刺激が排便反射を誘発し、脳から便を出しても良いと指令があると、外肛門括約筋が緩み排便に至ります。
また急におならが出そうになった時にも我慢ができるのは、外肛門括約筋のおかげです。
このように人間の体は、あらゆる神経に支配されています。
便意があるのに我慢し続けると、直腸の筋肉が鈍くなり便意を感じるセンサーの働きが鈍くなることがあります。
鈍くなると直腸に便が溜まり硬くなって、便がたまりきっても便意を感じず、最終的には自力で便を排出できない状態になってしまうこともあります。
便秘が慢性化すると、腸の働きが悪くなり便意を感じにくくなることもあります。
排便を我慢しがちな方は、生理的な反応に逆らうことなく、スムーズな排便を心がけてくださいね。
Mami
