排便のメカニズム

私たちが食べた物は、消化管を通って消化、吸収され、残ったものが便として排出されます。
排便は食事を摂ることが大きな刺激となり、胃、結腸反射によって、横行結腸からS状結腸にかけて強い蠕動運動が生じます。
この蠕動に便の重さによる刺激が加わり、便は直腸に向けて押し込まれます。
直腸の周りには、便の存在を感知するセンサーが沢山あります。
直腸に便が溜まると直腸壁が圧迫され、この刺激が脳に送られ、「便を出せ」という指令が出ます。
便が下りてきたことを感知しても、トイレに行って便を出してよい状況になるまでは、我慢することができます。
直腸は全長が約20cm程度で、伸縮性と柔軟性に優れていますので、多少の我慢ができますが、あまり我慢してばかりいると、便がたまっても便意を感じにくくなることがあります。
さらに排便を我慢し続けると、便から水分がどんどん吸収されて硬くなり、出したくても自力では出なくなることがあります。
無理に出そうとして息むと、肛門が切れたり、いぼ痔が腫れたりすることがあります。
また腸の中に便が停滞していると、体に良くない「悪玉菌」が増えたりもします。
学校であるいは仕事中など、便意を感じてもすぐにトイレに行けないことはあると思いますが、自然体で過ごしていくには、体のメカニズムに逆らわないようにしていくことが大切かもしれませんね。
自然な排便を目指して、今一度ご自身のお通じを見直してみてくださいね。
Mami