便秘のお話

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先日、薬剤師さん向けに、便秘にまつわる講演をオンライン形式でさせていただきました。

100名ほどの視聴者がいたそうで、オンラインでなければ、緊張で震えてしまったかもしれません。 

講演は質疑応答を含め80分と長めでしたので、事前の準備も必死に行いました。 

便秘の定義や、診断基準、便秘の分類のための検査方法から、具体的な薬の処方の仕方までと、100枚以上のスライドを作って講演し、無事に終了できました。 

便秘は50代までは女性のほうが多いのですが、60代からは男性も増えてきて、年齢とともに便秘の有病率は上昇します。

男女差もなくなっていきます。 

便秘とひとくちにいっても、程度はさまざまです。

大腸がんや炎症性の腸の病気で、大腸の一部が狭くなっていることが原因の場合は、便秘薬ではなく、原因となっている病気の治療が必要です。 

では、どんな状態を便秘というかというと、 

いきむ、便が硬い、残便感がある、便を出すのが困難、肛門周りを押すなどしないと出ない、週1,2回しか出ない 

これらのうち2つ以上があてはまる人は、便秘症といえます。

たとえば、3日に1回しか排便はないけれど、何も困っていない、という方もいるのです。

これは便秘症ではないといえます。 

便秘を解消するために、腹痛や下痢を起こしてしまうような市販の下剤を、日常的に使っている方は珍しくなく、自己流の便秘対策をしている方がとても多いです。

センナ系の下剤だと、徐々に効きが悪くなり、どんどん服用量が増えていく傾向があります。

センナは長期に服用すると、大腸の粘膜が黒ずんできて、腸の神経にも影響が出てしまい、腸の動きが鈍くなってしまうこともある下剤です。 

また、ダイエット目的に下剤の成分も含まれている漢方薬を服用している方もいて、気付けば、腸が真っ黒になっていることもあります。 

ここ数年、便秘の治療薬は新しいものが複数登場しており、より多くの選択肢で、便秘治療を行えるようになっています。

便秘くらいでと思わずに、相談してほしいと思います。 

 

Akiko

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