遺伝性の乳がん
がんの発症には、環境要因と遺伝要因が関係していることがわかってきています。
環境要因とは、がんのリスクが高まる飲酒や喫煙などが含まれます。
乳がんの場合、5～10％は遺伝性であると報告されており、思った以上に高い確率だと感じる方も多いでしょう。
BRCA1、BRCA2という誰もが持っている遺伝子に病的な変異があると、乳がんや卵巣がんにかかりやすいことがわかっています。
遺伝的素因がなくても、母親、姉妹、娘に乳がん患者がいる場合（乳がんの家族歴がある場合）は、家族歴がない人に比べて、2～4倍乳がんにかかりやすいと言われており、遺伝性の場合は6～12倍になるといいます。
ならば、その遺伝子検査を受けたい！と考える人もいると思いますが、日本では遺伝子検査を含め、遺伝カウンセリングや予防的措置などは保健適応外であることや、研究・対策の歴史が浅いこと、そして乳がんの遺伝子の検査は特定の会社との契約が必要であることなどから、乳がんに罹患した患者さんに遺伝的素因の可能性があると考えられた場合に、専門外来のある医療機関で対応しています。
遺伝であっても、そうでなくても、乳がんを完全に予防することはできませんので、定期的に検診を受け、セルフチェックを行ってもらうことが、もっとも有効な対策です。
今年も、あるいは今年こそ、乳がん検診を受けてくださいね。
Akiko
