比べる必要はありません

libra

昨日のAIR-G brilliant days Fでは、普段の診療でのことをお話しました。 

肛門外科外来で日々診療をしていると、患者さんからいろいろな質問を受けます。 

その中で、「私は悪いほうですか」と、他の方と比べて自分はどうなのかを気にされる方がいます。 

たとえば、いぼ痔の程度が悪いほうなのか、治療を始めたけれどすぐによくならず、人と比べておかしいのかなど。 

いぼ痔の大きさと症状の程度は、必ずしも相関しません。

程度が軽くても痛みが辛い方がいますし、慢性化して、いぼ痔はかなり大きく脱出するのに、ほとんど痛みがないという場合もあります。 

いぼ痔や切れ痔は良性疾患ですので、ご自身が症状の改善に満足できるかどうか、ということが大切です。

薬による治療を始めて、その効果があったのか、症状は続いているのか、などを次の診察でお聞きします。 

治療を開始しても、症状の改善に時間がかかる方もいますが、その場合は日常生活でなにか負担になっていることはないかなど、よくお話を聞いて、対策ができないか検討します。 

他の方と比べることは、あまり意味がありません。

それぞれの治療の目標を明確にしておけば良いのです。 

また、「私の痔は、手術するレベルですか」ということもよくたずねられます。

内痔核の分類で、3度以上は手術の適応とされていますが、いぼ痔の程度が悪いからといって、手術をしなくてはならないということもありません。 

まずは、薬の治療でどれくらい改善が期待できるかをお伝えし、実際に薬を使用してもらい、効果をお聞きします。

ある程度の期間、治療に取り組む必要があります。 

初回の治療では十分に症状が改善しない場合でも、実際に痔をみると初回よりも改善している場合は多いのです。

その際はもう少し治療を続けてみるか、あるいは手術で治したい希望があるかなど、相談していきます。 

手術には時間と費用がかかりますし、術後の痛みも当然あります。

出血のリスクなどもお話したうえで、行うかどうかを決定します。 

反対に、手術はどうしても避けたいと考えて来院する方もいます。

無理に手術を進めることはありません。 

満足のいく治療を行うために、それぞれの治療の目標をもってもらい、そこに向けて治療を進めていくというのが、札幌フィメールクリニックの治療方針です。 

お気軽にご相談くださいね。 

 

Akiko 

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