大腸憩室

昨日のAIR-G’ ふふふ では、大腸憩室のお話をしました。
大腸憩室というのは、大腸の壁が外側に向かって袋状に飛び出した構造になっているものを指します。
小さなものは数ミリで、大きなものは数センチのものもあります。
大腸憩室自体は、日常診療で大腸内視鏡検査を行っていると、頻繁に見つかるもので決して珍しくありません。
また、無症状であればすぐに治療をすべき病気ではありません。
今回はこの大腸憩室についてお話したいと思います。
大腸憩室は、何個かだけ持っている方もいれば、何十個と数えきれないほどお持ちの方もいます。
大腸の壁は内側の粘膜から外側の漿膜まで層構造になっているのですが、その全部が飛び出したものを真性憩室といい、先天性のものが多いと言われています。
一方、大腸の壁の血管が通っている他より弱い部分から、粘膜と粘膜下層だけが飛び出してしまったものを仮性憩室といい、これは後天性で、左側の腸である下行結腸とS状結腸に多くみられます。
日本人の憩室の多くは、後者の仮性憩室です。
大腸憩室は年齢とともに保有率が高くなり、統計上は80歳以上では半数以上の方にみられるとされています。
頻度は高いのですが、持っている方のうち8割前後の方は、生涯にわたって無症状です。
ただし一部の方は、炎症や出血を起こすことがあります。
憩室炎は、憩室の袋の中に腸の内容物がたまり、そこに感染して炎症を起こしてしまうもので、腹痛や発熱、お通じの異常などが起こります。
ひどくなると、憩室が破れて腹膜炎になることもあります。
症状の程度に応じた治療が必要で、軽症の場合は入院せずに安静を保つことで改善しますが、膿がたまるような重症の場合は、入院での治療が必要です。
憩室内の血管が破れて出血するのが、憩室出血です。
腹痛なく突然多量の下血が起こります。
頻度は憩室を持っている方の5%以下と言われています。
多くの場合、出血は自然ととまりますが、出血が続く場合は大腸内視鏡検査で出血部位を確認し、クリップで止めるなどの処置を行います。
大腸憩室があっても、日常生活で悩ましいと思う必要はありません。
札幌フィメールクリニックでも毎日のように大腸内視鏡検査を行っていますが、憩室はたびたび見つかります。
患者さんには「大腸憩室というものを持っているので、覚えておいてくださいね」と説明しています。
今回は大腸憩室のお話でしたが、大腸がんは乳がんに次いで、日本人女性が2番目に罹りやすいがんです。
とくに50歳以上の方は、症状がなくても一度は、ドック健診などで大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。
Akiko
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